不良品削減のための表面検査
表面欠陥検査装置による検査は、様々な分野で不良品削減に貢献しています。以下に、具体的な活用例をいくつかご紹介します。
半導体ウエーハの微細欠陥検査
- 課題
ウエーハ表面の微細な傷やパーティクル(異物)が原因で、半導体チップの歩留まりが低下。
- 解決策
高解像度カメラとAI画像解析を搭載した検査装置を導入し、ナノレベルの欠陥をリアルタイムで検出。
- 結果
初期段階で不良品を特定し、製造工程の改善を行うことで 不良品の削減率が向上。
自動車の塗装面の異物・ムラ検査
- 課題
自動車のボディや部品の塗装にムラや異物が混入すると、外観品質が低下し、顧客クレームにつながる。
- 解決策
3Dレーザースキャナーを用いた表面検査装置を導入し、塗装の均一性をリアルタイムでチェック。
- 期待できる効果
異物混入による不良率が50%低減し、リペイントコストを削減。
医薬品の錠剤・カプセルの表面検査
- 課題
錠剤やカプセルの表面にひび割れや異物付着があると、品質基準を満たさず、健康リスクにもつながる。
- 解決策
高速画像処理システムを備えた表面検査装置を導入し、ひび割れや異物の有無を瞬時に判定。
- 期待できる効果
検査精度が向上し 市場への不良品流出を大きく防ぐことが可能。
精密部品の表面キズ・バリ検査
- 課題
航空機や精密機械の金属部品にキズやバリが残ると、組み立て後の耐久性や安全性に影響を及ぼす。
- 解決策
X線CTスキャナーと光学検査装置を併用し、表面および内部の欠陥を検出。
- 期待できる効果
検査基準を厳格化し 製品の不良率を30%低減。
食品包装フィルムのピンホール・異物検査
- 課題
食品包装フィルムにピンホール(微細な穴)があると、酸化や異物混入のリスクが高まる。
- 解決策
透過光を利用した高感度検査装置を導入し、ピンホールを自動検出。
- 期待できる効果
ピンホールによる不良品発生率が70%削減し、消費者の安全性が向上。
自動車部品のキズ検査
- 課題
自動車部品の製造工程において、プレス加工や溶接などで微細なキズが発生。部品の強度や耐久性の低下をはじめ、最終製品の外観品質にも影響を与える。従来の目視検査では、微細なキズの見落としや検査員の疲労による検査精度の低下が課題となっている。
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解決策
高解像度カメラと画像処理技術を搭載した表面欠陥検査装置を導入。
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期待できる効果
微細なキズを高速かつ高精度に検出することが可能になり、検査基準を数値化することで、検査員の熟練度に依存しない安定した検査品質を確保。キズによる不良品の発生率を大幅に削減し、品質向上とコスト削減を実現。
食品パッケージのシール不良検査
- 課題
内容物の品質劣化や異物混入の原因となる食品パッケージのシール不良について、従来の目視検査では、検査員による見落としや判断基準のばらつきが課題となっている。
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解決策
ラインスキャンカメラ方式の表面欠陥検査装置を導入し、パッケージのシール部を高速にスキャンすることで、シール不良 (剥がれ、破れ、シワなど) を高精度に検出。
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期待できる効果
シール不良による不良品の発生を抑制し、食品の安全性を確保。検査工程の自動化により、人材不足の解消にも貢献。
医薬品アンプルの異物検査
- 課題
薬液の汚染や患者の健康被害を引き起こす可能性のある医薬品アンプルへの異物混入について、従来の目視検査では、透明なアンプル内の異物を発見することが困難である。
- 解決策
光学式異物検査装置を導入し、アンプルに光を照射することで、微小な異物 (ガラス片、毛髪、繊維など) を検出。
- 期待できる効果
異物混入による不良品を排除し、医薬品の安全性向上を実現。
電子部品の電極欠陥検査
- 課題
デバイスの性能や信頼性が低下する可能性がある電子部品の電極の欠陥について、従来の目視検査では、微細な電極の欠陥を見つけることが困難である。
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解決策
顕微鏡を搭載した表面欠陥検査装置を導入し、電極表面を拡大観察することで、微細な欠陥 (クラック、剥離、変形など) を検出。
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期待できる効果
電極欠陥による不良品の発生を抑制し、電子デバイスの品質向上に貢献。
金属加工品のバリ検査
- 課題
金属加工品にバリが残っていると、製品の機能や外観を損なうだけでなく、ケガの原因となることもあるが、従来の目視検査では、バリの見落としや検査員の熟練度によるバラつきが課題。
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解決策
3Dレーザーセンサを搭載した表面欠陥検査装置を導入し、加工品の形状を3次元的に測定し、バリを自動的に検出。
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期待できる効果
バリによる不良品を削減し、製品の品質と安全性向上を実現。
表面欠陥検査装置の導入は、不良品削減、品質向上、コスト削減、人材不足解消など、様々なメリットをもたらします。製造現場の課題や検査対象物に合わせて適切な検査装置を選定することが重要です。
表面欠陥検査装置は、目的の検査や対象物に対応しているかで選ぶのが大前提です。
基本性能やコストはもちろん、そのメーカーの装置を選ぶことで
どんなメリットが得られるのかを見極め、導入効果の最大化を図りましょう。