日本国内の企業で、表面欠陥検査装置の導入・活用によって品質向上や信頼性確保などにつながり、結果的にブランド価値の向上に寄与したと考えられる事例を紹介します。
人気キャラクターフィギュアを製造する企業で、海外需要の急増に対応し品質を維持するため、鳥取県の国内工場にAI画像検査システムを導入しました。特に看板商品の顔パーツ検査工程を自動化し、従来は熟練検査員の目視に頼っていた微細な塗装不良や傷を高精度に検出しています。
AIを用いた検査により検出精度は99.2%に達し、人間と同等の水準で安定した品質検査が可能となりました。検査基準のばらつきやヒューマンエラーが解消され、不良品の流出を防止することで製品品質と歩留まりが向上しています。
緻密で高品質な日本製フィギュアという同社製品の評価を維持でき、世界的な需要拡大にも対応できる体制を整えたことで、顧客からの信頼獲得とブランド価値向上につながりました。メディアにも新技術活用による品質管理強化として取り上げられ、先進的・高品質なブランドイメージをアピールしています。
自動車向けダイカスト(鋳造)部品を製造する企業で、検査員の人手不足や不良品流出防止の課題に対処するため、2023年にAI搭載の外観検査システム「HACARUS Check」を3台導入しました。従来は目視検査に頼っていた複雑形状部品の表面キズ検査を、協働ロボット+カメラ+AIソフトウェアのシステムで自動化し、0.1mmレベルの欠陥まで検出可能としています。
システム導入後は検査要員を6名から2名に大幅削減でき、ヒューマンエラーが排除されて品質の均一化を実現しました。ばらつきのない安定品質の供給により、自動車メーカーなど顧客からの信頼性が向上しました。不良の見逃し防止によるクレーム減少や、納入品質の安定によって取引先との関係強化にも寄与しています。業界紙でも「大幅な省人化と品質均一化の実現」として導入事例が紹介され、品質管理に積極的な企業として社外への評価・ブランドイメージ向上にもつながりました。
袋入りウインナーソーセージを製造する国内食品メーカーでは、折れ・欠けたウインナー混入に対する消費者クレームが増加し、商品品質への信頼低下が懸念されていました。そこで2022年にX線異物検査機にAI画像判定オプションを組み合わせた検査装置を生産ラインに導入し、1分間に60~70袋という高速ライン上でウインナーの形状不良を自動検出・選別する体制を整えました。
導入後は微細な折れや先端の僅かな欠けまで安定して検出可能となり、効率的に不良品を排除できています。人の目では見逃しがちだった欠陥を検知し出荷前に除去することで、製品の品質水準が向上するとともに歩留まりも改善しました。
折れたウインナーが消費者に届くリスクを低減し、「見た目も含めて品質に妥協しない」企業姿勢を示すことで、ブランドイメージの低下を防ぎ信頼回復につながりました。また食品ロス削減(不良品削減)によるサステナビリティ向上も評価され、安定・安全を重視するブランドとしての価値向上に寄与しています。
100年超の老舗包装材メーカーである企業は、大手顧客の厳しい品質要求に応えるため、人手検査に替えて自動検査の導入を進めています。例えば関西事業部では台紙やパッケージ印刷物の検品に、高速ブランクス検査装置「NIT-500」を導入しました。
従来は数千枚規模の用紙を人手で1枚ずつ確認していましたが、検査装置により微小な欠けや印刷のズレ・汚点まで高速で検出できます。特にホログラム・箔押し・エンボス加工などを施した高付加価値パッケージ表面の検査も自動化し、特殊加工ゆえ検査が難しかった化粧品向け高級パッケージにも対応可能にしました。
検査工程の効率化と精度向上により、大量生産時でも安定した品質保証が可能となりました。人手では見落としがちな小さな欠陥も除去でき、不良混入による納品後の手直しや返品リスクを低減しています。
化粧品など高級商品のパッケージでは「パッケージ品質=ブランドイメージ」と言えるため、検査装置で安定した高品質品を提供できることは顧客企業のブランド価値向上にも貢献します。このような高度な品質管理体制を整えたことで、「高品質を追求するパートナー」として評価が高まり、厳格な品質を求める新規分野への商機拡大(取引拡大)にもつながっています。
建築資材であるH形鋼(H鋼)の表面疵(きず)検査にAI画像判定サービス「MMEye」を導入し、2023年4月より九州工場の圧延ラインで本格運用を開始しました。H形鋼は重量物で高い強度・品質が要求されるため、従来は熟練検査員がライン上で表面の傷を目視チェックし、不良品を排除していました。
しかし長時間の目視作業は負荷が大きく、ベテラン人材の確保も課題となっていたことから、AIを用いた外観検査の自動化を検討しました。AIモデルを学習させたカメラ・照明付きロボットで走行中の鋼材表面を撮影し、微細な疵も検知・分類するシステムです。
AI外観検査の導入により、集中力を要する検査作業の負担が軽減されつつ、微小な傷の検出漏れ防止と検査精度の安定化が図られました。人手に頼らない客観的な検査により品質管理レベルが向上し、H形鋼の安定供給に欠かせることのできない「製品品質の一貫性」を確保に成功。同社製品を採用する建設業界からの信頼性向上につながっています。
また、AIの追加学習により検出精度をさらに高めたり、他工場・他製品への横展開を進める計画も公表されており、将来的な全社的品質向上への取り組み姿勢として評価されています。高度なデジタル技術を活用し品質第一を追求する企業イメージが醸成され、業界内でのブランド価値向上にも寄与しています。
建築用カラー鋼板などを手掛ける企業では、連続めっき鋼板ラインにおける表面検査精度を高めるため、AI画像検査システムを導入しました。同社では従来からキズ検出装置を使用していましたが、顧客ごとに異なる厳しい品質基準への対応に悩んでいました。AI導入後は、従来困難だった複数種類のNG(不良品)自動分類に挑戦し、人による判断の揺らぎを抑える仕組みを構築しています。
AI画像検査の活用により、不良品(NG)の自動分類精度は約90%にまで向上し、検査基準の統一と判定の客観化を実現しました。これにより顧客ごとの品質要求に安定して応えられる体制が強化され、納入先からの品質信頼性が向上しています。
さらに本導入を皮切りに、同規模の他製造ライン(塗装工程など)への展開も計画されており、全社的な品質レベル底上げによるブランド価値向上が期待されています。AI検査技術の積極採用によって製品品質のばらつきを削減しつつ生産効率も高めたことで、「品質管理に先進技術を取り入れる革新的企業」としての評価も得ており、業界内外での企業イメージ向上につながっています。


