鋼板の表面欠陥検査
鋼板素材の表面欠陥検査とは?
鋼板素材の表面欠陥検査とは、熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板など、様々な鋼板の表面に存在する傷、汚れ、異物、凹凸、変形、腐食などの欠陥を検出する検査のことです。
鋼板は、自動車、家電、建築など、様々な産業分野で広く利用されている重要な素材です。その品質は、最終製品の性能や安全性に直結するため、製造工程における表面欠陥検査は非常に重要です。
鋼板の表面欠陥検査の具体的な検査対象物
鋼板の表面欠陥検査が行われる主な対象物は以下の通りです。
- 自動車用鋼板…車体外装部品や内部構造材に使用される鋼板
- 建築用鋼板…ビルや住宅の外壁材や屋根材に使用される鋼板
- 造船用鋼板…船体や内部構造部品に使用される鋼板
- 工業用鋼板…各種機械や装置の部品に使用される鋼板
鋼板の表面欠陥検査における欠陥の種類と原因
欠陥の種類
鋼板表面の欠陥には以下のような種類があります。
- 傷…線状の傷、引っ掻き傷、擦り傷、圧延傷、研磨傷など
- 汚れ…異物、油汚れ、錆、変色、スケール、スラッジなど
- 異物…ゴミ、塵、埃、金属片、スパッタ、スラグなど
- 凹凸…圧延ムラ、シワ、打痕、うねり、耳波など
- 変形…曲がり、歪み、座屈、板厚差など
- 腐食…錆、孔食など
- コーティング不良…めっき剥がれ、塗装ムラ、ピンホールなど
- 割れ…クラック、疲労破壊など
欠陥を生む原因
- 製造工程…原料の不純物、製造装置の汚れ、温度管理の不備、圧延時のロールの傷、溶接時のスパッタ、熱処理時の酸化、製造環境や輸送中に付着した汚れや微粒子など
- 保管環境…温度、湿度、腐食性ガス、雨水、水分や化学物質による酸化反応など
- 取り扱い…不適切な取り扱いによる衝撃や落下、積み重ねによる圧力
鋼板の表面欠陥検査が必要な理由
鋼板の表面欠陥検査が必要とされる理由は以下の通りです。
- 品質保証…欠陥がある鋼板は最終製品の耐久性や外観に影響を与えます。
- 安全性の確保…欠陥が原因での破損や事故を防ぐため。
- 生産効率の向上…欠陥を早期に発見することで、不良品の再加工や廃棄を削減できます。
鋼板の表面欠陥検査の検査基準、検査しないリスク
検査基準
鋼板の検査基準には以下が含まれます。
- 表面の均一性…傷やへこみの有無、腐食の進行度合い
- 欠陥の許容範囲…欠陥のサイズや深さに基づく評価基準
- JIS規格、ISO standards、社内基準、顧客 requirements など
検査しないリスク
検査を行わない場合、欠陥が原因で顧客クレームや損害賠償請求、製品リコールが発生する可能性、製品の信頼性低下や企業のブランドイメージ低下。安全性の懸念、欠陥部分が破損し、大きな事故につながるリスクなどが考えられます。
鋼板の表面欠陥検査の検査例
- 光学検査…高精度カメラを用いて傷や異物を検出
- 超音波検査…鋼板内部の欠陥や表面の不均一性を確認
- レーザー検査…レーザー光を用いて、表面の凹凸や形状を精密に測定
- 磁粉探傷検査…磁性体鋼板の表面亀裂を検出
- 赤外線検査…温度差を利用して隠れた欠陥を検出
表面欠陥検査装置は、目的の検査や対象物に対応しているかで選ぶのが大前提です。
基本性能やコストはもちろん、そのメーカーの装置を選ぶことで
どんなメリットが得られるのかを見極め、導入効果の最大化を図りましょう。